米アップル、店舗レイアウトが欧州で商標として認可

2014年7月10日、欧州連合(EU)の欧州司法裁判所(ECJ)は、米アップル社の店舗レイアウトを商標として認めると判断した。(参照:アメリカの商標法の特徴について教えて下さい。

これまで、アップル社は2010年に米国において店舗レイアウトを商標として登録した。その流れを受けて、世界中で同様の商標権獲得に乗り出したが、ドイツにおいて問題が発生。ドイツ特許商標庁は、店舗レイアウト自体は商標保護の対象にならないと判断した。

これを受けてアップル社はドイツ連邦特許裁判所に提訴し、同裁判所は欧州司法裁判所に判断を仰いでいたものだ。欧州司法裁判所は、アップル社の店舗レイアウトが商標の保護の対象になると判断を下した。このため、ドイツのみならず欧州全土においてアップル社の店舗レイアウトは商標権を獲得したことになり、同社の店舗レイアウトを模倣したものは許されないことになる。

アップル社が商標として登録したものには、店舗外見・店舗内家具や備品、照明、技術サポートセクション「Genius Bar」などが含まれている。

商標権として認められる標章は、原則として、その標章をみて商品やサービスを識別できる商品識別機能と、同じく、それを見てその商品やサービスの提供者を識別できる出所表示機能の、二つの機能を有していることが求められます。

欧州司法裁判所がアップル社の店舗レイアウトを商標として認めたことは、裁判所が店舗レイアウトについて、それらの商標としての機能を認めたことになります。店舗の外見・店舗内の家具や備品、照明や技術サポートセクションをみて、アップル社とアップル社製の携帯端末等を思い浮かべるかどうかは裁判で争われるほど微妙なところです。

しかし、裁判で争ってまで、そのレイアウトを商標登録したかったアップル社の行動を考えると、その店舗レイアウト自体と、その店舗レイアウトが消費者に自社と自社製品を連想させることに、よっぽどの自信があり、かつ、第三者がそのレイアウトを模倣した店舗を建築することを、恐れていたことがうかがえます。

裁判では、アップル社が勝訴したことにより、指定された商品又は役務において、第三者がそのレイアウトを模倣した建物を建てることができなくなりました。商標というと、一般的には、文字やロゴやマークなどの平面的な物が思い浮かべられますが、店舗レイアウトのような立体的で巨大なものまでが、商標の対象になりうるという事例を示した事件でありました。

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